現在の太陽系の惑星は太陽系の全体の質量の僅か 0.14%程度です。 太陽系の惑星は太陽系全体の質量の99.86%であり、
強い太陽中心の重力場において公転軌道を周回する物質がケプラーの第3法則(r3/T2)=G(m+M)/(4π2)で決まる軌道を周回し続けています。
ここで、Mは太陽の質量であり、mは周回する物質の質量です。M>>>mであるので、太陽中心の重力場にある公転軌道に存在する物質は質量mの大小の影響が極めて少なく、ほぼ同じ速度で周回しています。
同じ公転軌道を同じ速度で周回する物質は静かに接触することが発生します。原子と原子が原子間距離程度に接近すると、物質の正と負の電荷が相殺されずに化学的な相互作用をします。ファンデル・ワールス力による結合が発生します。
原子の大きさの距離ではクーロン力の力は万有引力の力に比べて1036倍も大きいです。そこで、宇宙塵の固体と固体が接触すると、接触点で局部的に結合して塊になります。こうして、太陽中心の重力場の公転軌道上で宇宙塵が塊となり、微惑星となり惑星になったという説を提案します。
探査機「ハヤブサ」が小惑星「竜宮」を調査した結果、この小惑星は隙間の多い構造で、重力が弱く脱出速度が30cm/secで歩く速度でも宇宙の放出されてしまいます。 これは、星間物質が静かに接触して接触点が付着して小天体が誕生するということを示しています。
従来の太陽系形成の標準モデルされるシナリオでは、 星間分子雲から原始太陽系円盤ができ、その塵の層に微惑星ができ、原始惑星となり、円盤ガスが消失して、現在の惑星ができたという説明です。 ところが、そこで、最も軽い水素分子が重力によって集まって、最初に太陽ができたという説は疑問です。 また、惑星の形成には惑星間の衝突があったとしていますが、惑星がどのようにして惑星に衝突して、その後の公転がどのようになったかは疑問です。
ここでは、太陽中心の重力場の同じ公転軌道に存在した宇宙塵が静かに接触して接触点の近距離力による化学的な相互作用により、付着して宇宙塵の塊が出来て、微惑星に成長しました。
惑星のサイズまで成長する過程では塊自体が持つ重力が弱いので塊には隙間が多い構造でした。塊が大きくなると、その塊の内部では重力により高圧高温になり、物質が化学反応をして、内部構造が再編成されます。
惑星が近距離力で付着が進行することで大きく成長した天体が長距離力である万有引力を増すので、隕石が落下する際の衝突のエネルギーが大きくなります。
このようにして惑星が形成されるという過程を、物質の科学の見地から説明します。(唐澤信司記 2023年5月18日 更新 )
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第1章 序論
第2章 微粒子の接触による結合 第3章 宇宙塵の集積
第4章 惑星の形成 第5章 太陽の誕生
第6章 小惑星帯の形成 [あとがき]
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